自民党が総量規制を撤廃する?とんでもない、銀行カードローンにも規制を

総量規制とは?借入総額が年収1/3になる

『強欲の銀行カードローン』を読んで|総量規制の今

2017年9月21日、UFJ・三井住友・みずほの3大メガバンクに金融庁の立ち入り調査がはじまったというニュースが流れました。

過剰融資のおそれが指摘される銀行カードローンについて、金融庁は20日までに、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクへの立ち入り検査を始めた。

返済能力に合わせた融資のための審査など、過剰融資を防ぐ仕組みができているかを点検する。

3メガバンクに金融庁が立ち入り検査 カードローン問題|朝日新聞

博士はちょうど『強欲の銀行カードローン』という本を読んでいたので「いよいよカードローンになんらかの規制が入るのかな」と思ったよ。

朝日新聞経済部の所属の記者 藤田知也さんが銀行のカードローンの過剰な貸し付けについて調べた本を出しました。

「13年ぶりに自己破産の件数が増加」したニュースに触れ「銀行のカードローン貸出額の急増」との関連性を感じた藤田記者は、三菱UFJ銀行の頭取にインタビューを行ったり、カードローンを行う銀行への独自アンケートを実施したり、カードローンで生活が破たんしてしまった方に話を聴きに行ったり、自分でカードローンを利用したりする中で「極めて借りやすく、責任や実感がわかない借金」= カードローンの実態を明らかにしていきます。

銀行がやってるサービスなら、安心なんだと思ってたわ。消費者金融やカードキャッシングに比べて審査も厳しいだろうし……
博士もそう思ってたんだけど、どうやらそうじゃないらしい。

銀行には総量規制がない分、年収の1/3以上のお金も貸せるんだけど、審査は保証会社である消費者金融に丸投げで200万円借りるのに収入証明もいらないらしい。たくさん借りるほど金利は下がるし、10%超の金利もザラだから、借りる人が気を付けないと破綻してしまう人が増えるのもうなずける。

全国銀行協会は、銀行カードローンに総量規制のような規制を設けることに反対しています。

本によると、下記のような理由で全銀協の会長が反対意見を述べている。

・消費者金融と審査能力の差があるから、総量規制は不要
・総量規制の「量」の規制に疑問を感じる
・総量規制の「年収の1/3以下」という規制だけ見て、真面目に審査しなくなるのではないかと懸念がある

でも銀行に消費者金融以上の審査能力があるってのは疑わしいな。「口座がなくても大丈夫」って宣伝してるし、実際の審査はバックについてる消費者金融にまかせてるって関係者の証言もあった。

著者の藤田さんは「貸金業者と同様に「除外や例外」を認めつつ「量」の規制も必要じゃないか?」とコメントしています。

【関連記事】総量規制の除外と例外とは?

本の最後に「カードローンへの五つの提言」という規制へのアイデアが書かれているのですが、とてもわかりやすく効果の出そうな内容でした。

博士もカードローンに規制をかけるのは賛成だな。消費者金融で借りられない人が銀行のカードローンに流れたり、審査がここまで雑だったりって知らなかった。もう少ししたら、総量規制がなくなるどころか新しい規制がうまれるかもね。
 

【2017年9月21日更新】
2014年に報じられたニュースから当記事を作成しましたが、3年経った今、総量規制撤廃の話はほとんど出ていません。
今後大きな動きがあれば、当記事で紹介していく予定です。

 

以下は2016年11月の情報です。

貸金業法改正10周年も、借金に苦しむ人はまだいる!

2006年12月13日に改正貸金業法が成立して、10年が経過しました。

2016年12月に全国ヤミ金融・悪質金融対策会議 主催で『改正貸金業法10周年記念集会』が行われました。

博士は参加しなかったんだけど、参加した方のレポートを見ると「法改正だけでは終わらない」「まだ多重債務問題は続いている」という声が多くあがっていたよ。

銀行は、総量規制の対象外。また、銀行が消費者金融と連携することが多くなった現在、カードローンなどの過剰な貸し付けがまだなくなっていないのではないでしょうか。

信用情報機関(JICC)が多重債務者(消費者金融やカード会社から5社以上お金を借りている人)について調査したデータによると、2009年に100万人いた多重債務者が総量規制のおかげで2015年末には17万人にまで減少しました。

一時は倒産するんじゃないか?って言われてたアイフルも今ではCMをガンガン流してるし、アコムもレイクも「消費者金融を利用したことがない人」向けに「すぐに・簡単に」借り入れができるって広告をしまくってるわね。

生活費が足りない時、急な出費が必要になった時にカードローンは簡単にお金を貸してくれますが、返済計画をきっちりと立てて、借り過ぎには十分注意しましょう。

【関連記事】総量規制とは|多重債務は減った?配偶者貸付や総量規制の例外

以下は2014年の情報です。

総量規制がなくなるかと思いきや……

長引く不況の中、不安定な家計を切り盛りしている主婦にとって5%から8%消費税アップはなんとも辛いものがあります。

そんな中、自民圧勝で再び花開いた安倍内閣が強い自信を覗かせ推し進めてきた経済政策がアベノミクスです。

今その効果が徐々に数字として表れるようになり、「株高」や「円安」が進んでやっと一筋の光が見えてきたかのような感はありますが、大企業ならいざ知らず、末端で働く我々の生活が安定するのはまだまだ先の話になりそうです。

2010年6月をもってやっと完全施行に漕ぎ付けた総量規制も未だに問題は山積み状態、それを受け2014年に自民党は「貸金業者に対する金利規制の緩和を検討する」と発言し29.2%から20%に下げた上限金利を元に戻し、総量規制の撤廃をも含めた議論をしていくといいました。

中小零細企業などは銀行で融資を受けたくてもまともに取り扱っては貰えずケンモホロロ、貸金業者から借りたくても「限度融資額は年収の3分の1まで」という総量規制の厚いカベが立ちはだかり経営が成り立たなくなる企業が続出しました。

そうした人たちが健全な消費者金融から借入れができるように、との狙いがこの公約にはあるようです。

全国クレ・サラ生活再建問題対策協議会は反対

こうした流れに危機感を募らせた全国クレ・サラ生活再建問題対策協議会では声明を出し、この公約は「高金利」「過剰融資」「過酷な取り立て」というこれまでの悲惨な多重債務問題を再び呼び戻す形になるとして、「破産」や「自殺」といった悪夢に苦しめられる人たちがまた増加することを危惧し、断固反対の動きを見せています。

確かに、「健全経営だと認可された貸金業者に限り、金利の上限を29.2%に戻す」という内容も実にあやふやな目安です。

一応、「純資産額」「貸金業務取扱主任者の配置人数」「顧客に対する返済能力の審査」「苦情や相談の受け付け体制が整備されているかどうか」などといった判断材料はあるものの、これといった決め手には欠けます。

麻生太郎金融担当相「貸金業者の金利規緩和を直ちには行わない」

2014年4月に麻生太郎金融担当相が「貸金業者の金利規緩和を直ちには行わない」とコメントしたことで、総量規制撤廃の話はそこで止まり、続報もほとんど報じられていませんでした。

2017年9月、総量規制の対象外である銀行カードローンに対し金融庁の立ち入り調査が行われました。

麻生太郎金融担当相は、今回の実態調査を踏まえたうえで規制が必要かどうか検討するという考えを示しています。

むしろ規制が強まるかんじね。

【関連記事】銀行のカードローンをオススメできない4つの理由|過剰融資が社会問題に

個人事業主には厳しい総量規制

総量規制が完全施行されて4年、その間、悪質業者を締め出す効果があったのは事実、一方、個人事業主が一様に「資金調達が難しくなった」と訴えています。

総量規制が敷かれ「もう4年」と感じるか「まだ4年」と感じるかは人それぞれですが、「彼方を立てれば此方が立たず」という状況の中、4年という年月での検討には議論の余地がありそうです。

しかし、行く手を阻まれ必死に抜け道を探し求める人がいる限り、暗闇に招き入れる道に案内する業者がいなくなることはありません。

そうして繰り返されてきたのがこの世の中です。短期で変わる日本の内閣、果たして安倍政権は本当に国民の味方となり得るのかどうか‥‥そこが一番問われているような気がします。

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