東日本大震災の被災者の方へ|返済と私的整理ガイドライン

東日本大震災から数年経ちましたが、今なお不自由な生活をおくられている被災者の方に心よりお見舞い申し上げます。

義援金を使った借金の返済、ちょっと待った!

東日本大震災から時間が経過し、東北地方で多くの人が義援金や弔慰金を受け取っているかと思われます。

金額にすると数十万円から場合によっては数百万円という義援金になった方もいらっしゃるかと思います。もし、義援金をもらったからといって借金の返済に充てようとしていたらちょっと待ってください。

義援金なので使い道は自由となっていますが、借金の返済よりももっと別の使い道があるかもしれません。

※もう義援金で借金を返済してしまった方でも大丈夫です。過払い金請求ができます。

まだ、借金返済へ義援金を使っていないのであれば別の方法を考えます。その方法とは、自己破産をして借金をゼロにしたうえで義援金を手元に残すことです。
任意整理をする場合でも、義援金をそのまま返済してしまうよりも義援金を多く手元に残せます。そのため、義援金を全部使ってしまう前に、債務整理の専門家に一度ご相談することを検討してください。

実際に、義援金の使い道の例をあげて見てみましょう

Xさんが貸金業者4社から200万円の借り入れをしていたケース

Xさんは、貸金業者から200万円を借りて支払いを続けていました。そして、東日本大震災が発生して、勤務先が倒産してしまい、再就職がまだ決まっていない状態です。そこに義援金を100万円受け取ることができるようになったので、貸金業者への返済だけは大丈夫かなと思っていました。

そこで、Xさんは義援金でどうしたらいいのか悩んでいます。

義援金で借金を返済した場合

100万円があれば1年間は返済を続けることができるかもしれません。ただし、それは一時しのぎにしかならないということです。
東日本大震災で失業してしまい、まだ再就職ができていない方も多くいらっしゃいます。そうすると、まずは義援金で借金を支払おうと考えてしまいます。ただ、借金の返済に義援金をすべて使い果たしてしまったとき、就職が決まっていないとしたら、それ以降は借金を返済することができなくなってしまいます。
そうなってしまうと、結局、自己破産をすることになってしまいます。

義援金をもらい自己破産した場合

まず、100万円の義援金は自己破産をしたとしても自分の手元に残ることがあります。通常は、自己破産をする際に、まとまったお金があった場合は、裁判所にお金を納めることが必要です。
ただし、義援金は被災者の生活支援のために、国民が拠出してくれた大事なお金です。これを裁判所が『借金返済に必要なためだから納めなさい』と取り上げてしまうと、義援金を出してくれた方の意向とは違った形になってしまいます。そして、被災者の生活が今よりももっと厳しくなってしまいます。

そのため、仙台地方裁判所では、義援金について取扱いをいくつか定めているようです。

・既に義援金が支給されているものについては、裁判所に報告する義務があるが、手元に残すことを認めることとする。
・これから支給される義援金については、裁判所に報告する義務も特にない。

つまり、どのような形であれ、義援金は自分の手元に残すことができるということです。最初に挙げた例でいうと、200万円の借入れがゼロになって100万円も手元に残れば、実質300万円の利益があったことになります。

ただし、義援金の額が明らかに大きくなってくると裁判所も自己破産を認めにくくなると思いますので、できるだけ早く債務整理手続きをして生活の再建をはじめることを検討してください。

債務整理手続きについて詳しく知りたい方はこちら

特に、仙台地方裁判所では、自己破産によって借金がゼロになっても、義援金は手元に残すとの考え方ですので、一時しのぎで返済をするのなら自己破産や任意整理などの債務整理を行なってください。
そうしないと、貸金業者が結局のところ儲けてしまうことになります。義援金を出した方も、義援金が借金の返済に回ることは考えていないと思います。

被災者の方の生活のために全国の国民の善意で集まった義援金ですので有効に使っていただきたいと思います。任意整理をした場合でも、何もせずに貸金業者の言うままに返済するよりも多くの義援金を手元に残すことができると思います。

2011年3月11日、東日本大震災では特に宮城県、岩手県、福島県が大きな被害を受けました。借金を抱えていた人にとっても、収入が減る、仕事が無くなったなど、借金の返済が滞ってしまった人もたくさんいます。

しばらくのあいだは、貸金業者も被災者の状況を考慮して延滞に対して返済するように取り立てをすることもなかったのですが、半年から1年が経過してくると貸金業者も取り立てを行なっているようです。

個人版私的整理ガイドライン

そのなかで、東日本大震災の被災者の方が住宅ローンなどの二重ローンを抱えないようにと作り出された『個人版私的整理ガイドライン』があります。

これは、例えば被災者の自宅が倒壊したり、津波に流されたりしていても、その自宅の住宅ローンを支払う必要があるが、新しい自宅を建てるためにさらに住宅ローンを組まなければならないという経済的負担の問題があり、そもそも新たに住宅ローンを組むことすらできない人もいます。

被災者支援の観点からは、被災者が既存の借金を抱えたままでは今後の生活や事業再開に向けて再スタートすることができない状況に対して、作られたものとなります。

しかし、このガイドラインは2011年の8月からスタートしましたが、あまり使い勝手がよくない現状らしく、二重ローンを免れた被災者の方はわずかのようです。

そこで、利用できる被災者の範囲を拡大するために改訂がされました。

具体的には、条件が緩和され、金額が500万円までの現金、預金等を手元に持っている方でも、原則としてガイドラインによる私的整理で救済されるとしてガイドラインによる対象となる人の範囲を拡大することになりました。

ただ、まだ使い勝手がよくないと言われており、私的整理ガイドラインではなく、債務整理で生活を再建している方が多いとされています。

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