家族に内緒で債務整理しない方がいい|自己破産から10年
記事の最終更新日:2021年04月07日
カテゴリ:実録!債務整理・過払い請求の体験談
父は、私が中学生だった頃に自己破産しました。
事実を告げられた当時は「進学できる?就職に影響する?中学を出たら私も働かなければいけないの?」など不安でいっぱいになりましたが、質問のひとつひとつに落ち着いて答えてくれたし、父の自己破産が私に影響したことはありません。
自己破産するまでの流れやこれから自己破産を考えている人へのアドバイスを語ってもらいました。
も く じ

花子の父の「N」と申します。
自己破産という形で自分の借金を整理する時に、家族(とりわけ自分のこども)に「債務整理するということを伝えるべきなのか?」自分の経験を交えて書かせていただきます。
先ごろ古くからの友人が個人再生と言う形で借金を整理することになったのですが
「女房はともかく、まだ小学生の息子になんて言ったらいいのか判らない。黙っていていつかバレたらそれはそれで格好がつかないし、正直に話すべきなのか、どんな風に説明すればいいのか……。Nは娘さんにどんな風に説明したのか教えてほしい」
という相談をもちかけられました。
友人に体験談とちょっとしたアドバイスを語るうちに「もしかしたら過去の自分と同じように悩んでいる人が多いのでは?」と思い、自己破産について振り返ってみることにしました。
自営業をしていたものの、バブルがはじけて借金だらけ
自分が自己破産したのは今から十数年前。
当時は「バブルは完全に終わった」と誰もが感じていた頃です。

バブルが弾ける数年前、自分は小さな会社をおこし自営業者として仕事をしていました。
正直、見切り発車もいい所で「とりあえず仕事は有るからとりあえず始めちまえ。細かいことはその都度準備していけばなんとかなるだろう」そんな甘い考えでスタートしていました。
今にして思えば考えが甘かったなと反省しきりです。
最初のうちこそ順調に仕事をこなしていたものの、3年もすると景気の悪化に伴い坂を転げ落ちる様に経営が行き詰まり700万円の借金がありました。
A社で借りてはB社に返し、C社からA社の分を返す……といった借金を返すための借金も繰り返していました。

会社を維持するのが困難な状態に陥り「これ以上負債を広げない為にも自己破産と言う方法で債務を整理してもう一度やり直そう」そう決心した時、娘は中学2年生になっていました。
中2の娘に、正直に自己破産の話をする

中学生は多感な時期ですが、もう大人に接する時とほぼ同じ扱いで話をしてもきちんと理解できる年頃です。
経営こそボロボロだったものの、家族関係は良好で娘とも気兼ねなく話ができる状態だったので、思い切って「自己破産をするということ」について隠さずに説明しました。
「父さん一生懸命働いたんだけど会社がダメになっちゃった。この先一生借金を返していくのは大変だから、自己破産という手続きをしてやり直すことにしたんだ。お母さんには凄く、お前にも少し迷惑をかけちゃうけどこれからも一生懸命働くから心配しないでね。お前は今まで通り学校に通えるし、普通に生活していけるから大丈夫」
かなりざっくりしていますが、こんな風に話したと思います。
娘も父の会社がうまくいっていないことはわかっていたようで、それなりにショックを受けていましたが「自己破産するのに、あまりにものんきにしてるから少し呆れた」と後に話してくれました。

夫婦揃って自己破産
私は妻を連帯保証人にしていたので、夫婦そろって自己破産をすることになりました。妻には一生頭が上がりません。
マイホームは持っていませんでしたから急に住む家が無くなるようなこともありませんでしたし、車を維持することこそ出来ませんでしたが、自己破産以後に生活が激変するようなこともなかったので、妻も娘もそれほど不安を感じなかったようです。

辛かったこともあるだろうに……おかーさーーん(泣
親の自己破産を乗り越え、10年後、娘は立派な社会人に
自分の立ちあげた会社を潰してしまい、負債を自己破産と言う方法で清算してしまったので、親として偉そうなことは言えませんでしたが、娘が大学まで出て社会人になる際、自分の経験をもとにいくつかアドバイスめいたことを言って聞かせました。
失敗したからこそ、わかることもあると思うのです。
1度失敗したからこそ伝えられた、娘へのアドバイス
・どんなにエネルギーがあっても”勢い”だけでは崩壊する
・後ろ指さされるようなことをしない限り、失敗しても恥ずかしくない
・失敗してはじめてわかることもある
・「失敗するかもしれないけどやってみたい」と思うことは若いうちにやっておいた方がいい
「自己破産した人間がなにを偉そうに」と言われてしまうかもしれませんが、考え方としては間違っていないと思います。

債務整理を家族に内緒にしようとしている人へ

親や一家の長としての威厳を保ちたい……という気持ちもわからなくはないですが、変にはぐらかすより債務整理をするなら正直に話すべきだと思います。
友人にも「たとえまだ小学生でも、きちんと話をするべきだ」という話をしました。多少悩んだようですが、その後思い切ってきちんと話をしたと聞いています。
娘がまだ子どものうちに自己破産を打ち明けた事もあって、子どもに対して一方的に決めつけて話をするという事をしなくなったように思います。
50を過ぎても父親として娘と良い関係のままでいられるのは、正直に話をしたためなのかもしれません。
家族に迷惑をかけ心配させてしまいましたが、起業と破産は自分にとって無駄では無かったのだなと思います。
今借金で苦しんでいる方は、悩むことを止めて行動に移すべきだと思います。
私は自己破産について調べている時、読んだ本の著者の弁護士に連絡したのですが、最近では、無料で借金解決の相談をしてくれる司法書士や弁護士がたくさんいます。自己破産の費用も私が頼んだところは30万程度かかりましたが、今は15万程度で手続きしてくれるところもあるそうです。
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両親が自己破産してからはあまり贅沢はさせてもらえなかったけど、奨学金を使って大学に行くこともできたし、就職に影響するというようなこともなかった。
それに、10年以上経っているから信用情報の事故情報も消えて、クレジットカードも持てるようになった(使い過ぎないように注意してるみたい)。
娘としては、家族に何か起きた時にすぐに話してもらえて、すごく安心したし嬉しかった。
法律事務所にはよく「家族に内緒で債務整理したい」という相談もくるみたいだけど、家族で問題を共有した方がいいと思うんだけどな。
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タグ: | 債務整理・過払い請求の体験記 自己破産 |
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