『破産者マップ』とはなんだったのか?
記事の最終更新日:2022年06月21日
カテゴリ:自己破産について
【6月21日 更新】情報の削除にビットコインを要求する「新・破産者マップ」について追記しました
2019年3月『破産者マップ』というサイトとGoogleマップ(編集されたマイマップ)が公開された。
破産者マップには、直近約3年間の官報に掲載されている自己破産・個人再生・特別清算をした人や企業の情報が記されており、マップ上のピンをおすと破産者の氏名(社名)や住所などが表示される。
事故物件を掲載してる『大島てる』みたいなものかしら?
自己破産した人は、生きている。人生を再スタートさせて普通に暮らしてるんだ。
「破産」というネガティブな情報を、興味本位で探したくなるマップ形式で公開するなんて、とんでもない悪趣味だ。
【2022年6月21日 追記】IT media NEWSで、2009~2018年までに破産した人の住所や氏名が掲載された「新・破産者マップ」が公開されたと報じられました。
情報が書かれたピンの内容を削除するには6万円分、ピンごと削除するには12万円分のビットコインを払う必要があるなどと記載されているそうです。

意図して探さなければサイトにアクセスできないので「このサイトから過去の破産の情報が知られる」というケースは少ない。
2022年3月に公開された別の破産者マップ(破産者情報を掲載したサイト)も、個人情報保護委員会からサイトの停止命令を出されています。
ビットコインを払って削除してもらったとしても、官報に情報がある限り、ほかの運営者が情報を仕入れて新しい破産者マップを作成する可能性があるため、イタチごっこになってしまいます。
中にはURLを公開しているブログ記事などもありますが、サイトにウイルスや勝手にビットコインのマイニングをさせられるプログラムを仕込まれている可能性があるので、探してアクセスするのもオススメしません。
ビットコインの支払いを求める破産者マップについて、続報があり次第掲載します。
【2020年7月30日 追記】政府の個人情報保護委員会は、本人の同意を得ずに破産した人の情報を公開している2つの事業者に対して、サイトの運営停止を求める命令を出しました。
委員会では事業者と連絡を取ることができないことから、所在を特定できないまま、これまで法律に基づく勧告の手続きを行ってきましたが、必要な措置が講じられなかったため、命令を出すことにしたということです。
委員会は来月27日までに必要な措置がとられない場合は刑事告発を行う方針だということです。

やっと国が動いてくれた。こういったサイトがなくなってくれるといいなぁ。
※以下は、2019年3月時点の情報です
破産者マップとは?官報の自己破産者データをマップ化したもの
2019年3月15~20日にかけて、当サイト(シャッキン博士と学ぶ借金解決)を訪れる人が急増した。
よく読まれていたのは「官報とは?自己破産や個人再生で官報に載ってもバレない理由」「自己破産後の生活はどうなる?父が自己破産した娘が語る!」という2つの記事。
閲覧者が増えたのは『破産者マップ』というサービスがSNSやメディアで話題になり、「自己破産」や「官報」について検索する人が増えたことが原因だった。
破産者マップとは?
【話題】破産者の住所や氏名を表示する「破産者マップ」が物議https://t.co/WCeWvFd3dS
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年3月18日
官報で公示された破産者の情報をもとにしているというが、知られたくない情報が可視化されていることに批判の声も上がっている。 pic.twitter.com/JFgwm014pU
破産者マップとは、同名のサイト( http://www.hasanmap.tokyo )と、Googleマップに情報を加えたもの(マイマップ機能)。
※3月26日現在、どちらも公開停止(閉鎖)中
マップ上のピンをクリックすると、官報に掲載されている「直近約3年間の破産申立・再生申立・特別清算申立をした人の氏名(会社の場合は会社名)、住所、事件番号、官報の公示日、管轄の裁判所名」などが表示された。

「破産者マップ事件」の経緯
3月15日以前(不明):破産者マップ 公開
3月15日:運営者がTwitterをはじめる、「破産者マップ削除申請フォーム」公開
3月16日:1時間あたり230万アクセスを超え、サーバーが落ちる。メディアからの取材要請がくる
3月16日:15秒に1秒のペースで削除申請がくる。「破産者マップ削除申請フォーム」に本人確認書類まで送った人が800名を超える
3月18日:サーバー落ちる。破産者マップの運営者が閉鎖の旨をツイート
3月19日:破産者マップ 閉鎖
※破産者マップの運営者のツイートをもとに作成
破産者マップの問題点
・プライバシーの侵害
・いじめや自殺、差別につながる可能性がある
・闇金業者に悪用される(借りられない状況なのに、お金を貸してくる)可能性がある
・(現在は閉鎖されている)「破産者マップ削除申請フォーム」には、生年月日や電話番号、破産に至った経緯や破産後の生活などを書く欄があり悪用される可能性がある
・住所・氏名などの個人情報を取得するのに、サイト運営者が利用目的の公表等などを行っていない
・個人の破産情報を第三者に提供しているのに、本人の同意を得ておらず、個人情報保護法の除外事由も満たしていない
・官報情報検索サービスのデータを個人的な仕様の範囲を超えて利用することは禁じられている
・官報情報検索サービスのデータをプライバシーを侵害する行為(または侵害するおそれのある行為)に利用することは禁じられている
※サイト運営者は「紙起こしの職人さんにお願いしています」とコメントしている(ネット版ではなく、官報からデータを取って使っていると主張)

普通の人は、官報を見る機会なんてないんだから。
自己破産したことは、人にバレるの?
自己破産や個人再生を行うと、国が発行する機関紙『官報』に情報が掲載される。
官報とは、行政機関の休日を除くほぼ毎日のように国が発行する、新聞のようなもの。
官報の号外 → 公告 → 裁判所 → 破産、免責、再生関係というところに、自己破産や個人再生をした人の名前や住所などが掲載されている。
直近30日分の官報は、インターネットで無料で閲覧できる。有料の「官報情報検索サービス」を利用すれば昭和22年5月3日以降の官報をさかのぼって検索できる。

家族や知人が官報を見て破産したことを知られる…… というケースは本来ほとんどないはずなんだ。


サイト運営者は「ネガティブな感情はない」って言ってるし、破産をしたことは事実だし、興味本位で検索して差別する人も悪いけど…… すっごく不快だわ。
破産者マップの被害者のつぶやき
被災して半年間働けず、自己破産せざるを得なかった人。多額の借金を背負わされ、精神的にボロボロになりながら自己破産した人。破産者マップのせいで、周りを気にしながら生活しなければならなくなった人。珍しい苗字&地域に人が少なく、会社で破産したことを知られてしまった人……
Twitterには破産者マップに掲載された人のつぶやきが多く寄せられた。
被害対策弁護団が発足された
3月18日には、弁護士による「破産者マップ被害対策弁護団」が設立され、クラウドファウンディングも始まった。


サイト運営者への名誉棄損や個人上保護法違反での告訴や告発を検討しているそうだけど……
個人を追い詰めて破産させるようなことは起こらないでほしい。
【2019年12月 更新】2019年12月、破産者マップに類似した『モンスターマップ(Monster Map、破産者マップ2)』や『自己破産・特別清算・再生データベース』といったサイトが公開されました。
アクセスすると、詐欺のページやフィッシングサイトに飛ばされてしまったり、ウイルスやトロイの木馬(マルウェア)に感染させられたりする可能性があります。
また「仮想通貨をマイニングするJavaScriptが隠されている」という声もあり、サイトを訪れるとマイニングに参加させられてしまう(パソコンやスマホが勝手に使われる)可能性があります。

また自分や家族の情報を見つけても(その情報を悪用されるリスクがあるので)直接削除依頼はせず、サイトの閉鎖・情報が削除されるのを待ったほうがいい。

自己破産とは?
2006年に貸金業法が改正され、上限金利は下がり、貸金業の適正化が行われた。しかし近年では、銀行カードローンの過剰融資が話題になり、自己破産の件数はここ3年連続で増加している。
平成30年(2018年)には、年間7万3048人が自己破産を行った。
当サイトでは、自己破産や個人再生など借金の悩みを解消する記事を数多く掲載している。
自己破産すべき人とは?手続き前に知りたいことまとめ
>>自己破産に関する記事一覧
個人再生とは?費用や流れ、デメリットのわかりやすいまとめ
>>個人再生に関する記事一覧
自己破産や個人再生について、相談したい場合は「法テラス」へ
国が設立した「日本司法支援センター 法テラス」に問い合わせれば、無料で情報提供を受けることができます(法制度に関する情報、相談先を教えてくれる)。
また、資産や月収が一定以下の場合、下記のメリット(民事法律扶助制度)もあります。
・無料で司法書士や弁護士の相談を受けられる
・費用の立て替えを受けられる
・費用を抑えられる
・分割払いで費用を支払える
「民事法律扶助制度」を受けられる資産や収入の基準

画像出典:https://www.houterasu.or.jp
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