自己破産すると家財道具に赤札を貼られて差し押さえられる?

博士!この前見たドラマでやってたんだけど、自己破産したら家財道具に赤札(赤紙)を貼られて持っていかれちゃうんだよね!?

借金を帳消しにする代償は大きいんだな~。

太郎くんはどんなドラマを見たの?
赤札を貼られたり家財道具が持っていかれたりするのは自己破産とは別のケース(強制執行)だから安心してね。

赤札が貼られるのは強制執行(動産執行)の場合のみ

自己破産したら家財道具に赤紙・赤札を貼られるの?

よく映画やドラマなどで、スーツ姿の役人が家財道具に赤い札を貼って行くというシーンを見ることがありますが、実際にそんなことが行われることはあるのでしょうか?

自己破産では「時価で20万円以上のもの」は現金換価の対象とされてしまうため「怖い人が家に来るのでは?」といった心配をしている方も多いはずです。

しかし、自己破産の手続きでそんなことが行われることはまずありません。

【関連記事】自己破産のデメリットについて詳しくはこちら

家財道具に赤い札が貼られていくというのは、強制執行の手続きが行われた場合です。

強制執行とは?

強制執行とは、お金を借りた人が貸した人と裁判で和解したにも関わらず(お金を返したり、家を出ていくことに)従わなかった場合、無理矢理従わせる制度のことです。

自己破産は裁判所で借金を免責してもらう手続きなので、強制執行を受けることはありません

私の両親も自己破産したけど処分することになったのは車くらい。テレビや冷蔵庫やタンスが持ってかれる~なんてことはなかったし、誰かが家に来ることもなかったわ。
 

仮に破産管財人が選任されていても心配無用

自己破産という手続きは、裁判所への申し立て後に行われる破産手続開始決定以降の財産の差押えは全て禁止されています。

つまり、債権者による強制執行手続きを抑制する効果がありますので、むしろ破産者を守る手続きともいえます。

また、仮に時価で20万円以上の財産がある場合であっても、選任された破産管財人が実際に家まで来て赤い札を貼っていくことはありません。

破産者の財産調査の関係で、自宅訪問が禁止されているわけではありませんが、実務上そんなことが行われることはまずありません。

※破産管財人が行う財産調査というのは、あくまでも書面をもとにしたものです

自己破産の申立書に記載された財産目録や破産者宛てに届く郵便物といったものの中から、目ぼしい財産がないかどうかを調査します。

実際に家までいって、いちいち資産価値を判断するようなことはしません。

また、換価できる財産があった場合、破産管財人と裁判所の判断によって換価方法が決められることになりますので、一概にこの方法で換価されるといった基準はありません。

 

【レアケース】赤札が貼られるのは動産執行のとき

財産目録に「時価20万円の財産がある」と書いたにも関わらず財産を提出せず取っておくと、差し押さえられてしまいます。

強制執行手続きの1つである動産執行が行われた場合に赤札が貼られることがあります。

これは裁判所の執行官が、実際に債務者の家まで訪問して行われる執行手続きです。

動産というのは、土地や建物といった不動産とは違い、実際に動かすことができる財産のことをいいます。

たとえば、車や貴金属といったものです。

裁判所によって多少運用が違う場合がありますが、仮に家に鍵をかけていたとしても、専門の業者によって鍵は強制的に開けられてしまい、換価価値のありそうな財産に対して、執行官が赤い札を貼っていきます。

ここで赤い札を貼られた動産は、後日入札手続きを経て、入札希望があった場合、その金額にて換価されることとなり、債権者に対して配当されることになります。

動産執行があっても、家財道具は持っていかれない

とはいえ、どのような動産に対しても赤い札が貼られるわけではなく、差押えが禁止されている財産もあります。これを差押え禁止財産といいます。

生活に必要となる多くの家財道具は大体が差押え禁止財産とされていますので、実際の現場でも次々に赤い札が貼られていくといったことはあまりありません。

差し押さえ禁止財産とは?
生活に欠かせない衣服や寝具、台所用品やタンス、生活に必要な3か月分の食糧や燃料など。最低限度の生活を送るのに必要なもの

動産執行とは、債務者に対する心理的圧迫が狙いとされることが多く、差押えを期待して手続きが行われることはほとんどないといえます。

【参考記事】自己破産すべき人とは?手続き前に知りたいことまとめ

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【関連記事】自己破産したくない人が借金を解決する方法|任意整理できる?

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